古代インド哲学の「梵我一如(ぼんがいちにょ)」

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「梵我一如(ぼんがいちにょ)」とは、古代インドの哲学における非常に重要な概念です。この言葉を分かりやすく説明するために、まず「梵」と「我」の意味から始めましょう。

  1. 梵(ブラフマン)とは、宇宙や世界の根本原理、最も高い現実のことを指します。これは、見えるものや感じるものを超えた、全宇宙の本質的な力や存在のことを言います。梵は形がなく、変わらないもので、全てのものの源です。
  2. 我(アートマン)とは、個人の本質、または魂のことを言います。これは私たちの身体や心、感情を超えた、真の自己です。我は個人的な存在でありながら、同時に普遍的な存在でもあります。

では、「梵我一如」とは何を意味するのでしょうか。これは、「梵(宇宙の根本原理)」と「我(個人の本質)」は本質的には同じであるという考え方です。つまり、私たち一人一人の真の自己は、宇宙の根本原理と深く結びついており、分けることができないということです。

この考え方は、私たちが日常生活で感じる個人的な経験や感情、思考が、実は宇宙の大きな流れの一部であると考えることを可能にします。

私たちは皆、宇宙という大きな存在の一部であり、私たちの内側には宇宙と同じ力や美しさがあると言えるのです。

この概念を理解することは、自己と宇宙の関係を深く理解する上で非常に重要です。

また、他人や自然に対する深い敬意や愛を育む助けとなります。なぜなら、全ての存在が根本的には繋がっているというこの考えは、私たちがお互いをより大切にし、共感し合うことを促すからです。

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